◆闇の化身◆

◆ 闇の化身◆

タロットカードのスートは本来12種類と番号の無い『愚者』で管理されるものだったらしく,
描かれるスートの流れは『愚者であった若者が学び,出会い,別れ,最後は新たな愚者の道を照らす隠者となり己の運命を受け入れる』
までの物語とされることが多い(諸説あり)
影時間に現れるシャドウも12種類のアルカナに対応しており,逆に言えばそれ以外のアルカナの個体は存在しない…はずたった.

ニュクス・アバターとは,とある人物が本来の役割を思い出したことで文字通り『人と成った(神に近いものに変化した)』姿.
精確には影時間や夜,闇への畏怖といった概念が人間と意思をかわすための『アバター』であり
その実態はイースⅡの黒真珠に近い.

全ての終わりがやって来る1月31日の影時間に主人公メンバーは全ての人間が影人間になる滅びを防ぐ為,
シャドウやストレガの妨害を退けてタルタロスの最上階に辿り着く.

巨大な満月を背に現れたニュクス・アバターの姿をした彼は,自身が滅びを告げるだけの存在ということを,
これから対峙するモノがどのような存在であるかを,それに抗うことがどれだけ無駄なことであるかを問いただす.
しかし,主人公たちは相手がどのような存在でも立ち向かう覚悟を示し彼らは戦うことになる.

形態変化の度にこれまでの主人公の歩んだ道を振り返るように台詞を喋るのだが,形態の数が

◆ 口上の数々◆

『魔術師』 そのアルカナは示した
強い意志と努力こそが唯一夢を掴む可能性であると

『女教皇』 そのアルカナは示した
心の奥から聴こえる声なき声…それに耳を傾ける意義を…

『女帝』 そのアルカナは示した
生が持つ輝き…その素晴らしさと尊さを…

『皇帝』 そのアルカナは示した
あらゆるものに毅然と向き合い、答えを決するその強さを…

『法王』 そのアルカナは示した
己を導く存在、それを知る事の大切さを…

『恋愛』 そのアルカナは示した
他者と心が通じあう…その喜びと素晴らしさを…

『戦車』 そのアルカナは示した
目標に向かって跳躍するその力こそ、人が命から得た可能性であることを…

『正義』 そのアルカナは示した
何もかもが不確か故に、正しき答えを導かねばならぬことを…

『隠者』 そのアルカナは示した
時に己を見つめ、自らの意思で道を決するべき勇気を…

『運命』 そのアルカナは示した
永劫、時と共に回り続ける 残酷な運命の存在を…

『剛毅』 そのアルカナは示した
どんな苦難に苛まれようと、それに耐え忍ぶ力が必要なことを…

『刑死者』 そのアルカナは示した
避けようのない窮状においてこそ、新たなる道を探すチャンスがあることを

知恵の実を食べた人間はその瞬間より旅人となった

アルカナの示す旅路を巡り、未来に淡い希望を抱く
しかし、アルカナは示す…
その旅路の先にあるものが、絶対の終わりだということを…
いかなる者の行き着く先も 絶対の死だということを……!

死に抗うことなど出来ない。
生きることと死ぬことは同じだ…
刻は来た…

『死』 そのアルカナは示した

見るといい。
これがキミ達の選んだ『道』だ。

◆ その強さ◆

明らかに今までのペルソナやシャドウとは一線を駕す威圧的ながらも神々しい姿は飾りではなく,想像を絶する難易度を誇る.
割と最近まで日本のRPG作品で最難関のラスボス戦の話題になると,メギドラオンのエリザベス先生と並んで毎回出てくる程度に難しい.

単純に形態の数が13種類あって,それを連戦で倒す必要がある(エッグのように形態を減らす手段はなく,強制的に完熟エッグ戦になるイメージ)
そして,12個の形態を倒しきった上で現れる13個目の姿こそが真の姿であり,12と13の間には埋めがたい難易度の差がある.

・単純計算で体力が倍,防御力そのものも底上げされており体感の他形態の2.5倍くらいの耐久
・使用ターンの攻撃を無効化して固定500ダメージを返す『闇夜のドレス』
・他形態での固有技をランダムで2つ選出して繰り出す連撃(固有技はストーリーボスの必殺技かそれに準ずる大技)
・残り体力が1/3を切ると更に下記の攻撃パターンが追加

・あらゆる防御,加護を貫通して残り体力を強制的に1にする『アポカリプス』
・極大威力の全体攻撃+魅了状態付与の『夜の女王』

・自身の行動回数を増やす『刑死者の超克』の発動後に『アポカリプス』と『夜の女王』を同時に放つターンが存在する
・上記のパターンが発生時はテウルギアによる特殊効果を使わないと回復が間に合わない.
 対処方法が『これまでに仲間にしたペルソナを切り替えながら特殊能力をフル活用する』のため,ペルソナというゲームの集大成とも言える.

つまり,12個分の形態をほぼ無傷で倒せるほど圧倒できる戦力がないと勝負にもならず,これまでの戦闘や経験から相手の次の行動を推測し
最善の対処を味方との連携で固め,ペルソナの力をフル活用して初めて互角になる戦闘と言える.

ニュクスは人類に『死』の概念を与えた存在であり,全ての生き物が普遍的に持つ闇への畏怖が形を持った存在.
主人公たちが行使するペルソナは即ち,人が闇に対して感じる好奇心や想像力から作られた神や妖,悪魔であるため
即ちニュクス・アバターとの戦闘は闇に対して人が感じる心象のぶつかり合いとも例えることが出来る.